その時、ポケットに入れていた携帯電話の着うたが突然鳴った!!
私はその音に驚いて、慌ててポケットから携帯電話を取り出した。
電話の相手は美玖だった。
「亜由美、江藤って人が誰だか分かったのよ!!
驚かないでよ…
なんと、同じクラスの江藤のお姉さんよ!!
今、江藤の自宅に向かってるから…
亜由美?
聞いてるの亜由美!!」
相変わらず、相手の事などまるで無視して一方的に話し続ける美玖。
「聞いてるよ。
今、江藤の家から追い出されたところ…」
「はぁ?」
美玖はもうすぐの所まで来ているという事だったので、私は美玖と商店街の中央付近にある喫茶店で待ち合わせをする事にした。
彩香も後から合流する事になった。
私は埃に汚れた白い壁の小さい喫茶店入って、2人の到着を待った。
窓際の席と言っても、窓が曇っていてほとんど外が見えない。
関節照明ではなく、古い照明設備の為に薄暗い店内の壁に掛けられた白い時計は、もうすぐ15時になろうとしていた…
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