19時…

どうしよう。
もう他に情報は無いし、間違いなくここで話が聞く事さえ出来れば…


私はその場で考えた末に、初対面にも関わらず江藤の母に亡くなった美子さんの事について聞いてみることに決めた。


「あ、あの…
お伺いしたい事があるんですが」


「何ですか?」

焦りまくる私に、江藤の母は優しい笑顔で聞き返した。


「美子さんの事について…」

美子という名前を出した瞬間江藤の母の表情が一変し、さっきまでの笑顔は消え殺伐とした雰囲気になった。

「あの子は私の子ではありません!!
あんな…
あんな子は…
どうぞお引き取り下さい!!」


「あ…あの…」

江藤の母は強い口調で言い放つと振り返りもせず、奥の方に入って行ってしまった。


あの様子ではどんなに粘っても、話なんて聞かせてもらえそうではない…



成す術もなく、私はお店の外に出た。

ここで、ひたすら江藤が帰宅するのを待つのか…
それとも、何か別の方法を考えるのか。


しかし、残された時間が余りにも短い…


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