夕方…
夕方って一体いつから夕方なのよ!?
動揺する私の目に、テレビ画面に映し出された降水確率が飛び込んできた。
「18時以降が90%…」
絶望的な数字だ…
場合によっては、あと3時間ほどしか持ち時間が残されていない。
いちいち落ち込んでいないで、とにかく一刻も早く江藤の自宅を探そう!!
商店街を1件ずつ確認していくが、呉服屋なんて全く見付からない…
この商店街は、ほんの100メートルほどの長さだ。もうすぐ目の前に、駅前通りが見えてきた。
「ここではなかったのかも知れない…
それとも、住職が間違えたのか」
思わず弱音を吐いた時、商店街の右側…
駅前通りから数えて2件目に、呉服屋らしき店舗が見えた。
私は急いで走って行き、店舗の前に立つと看板を見上げた…
「呉服屋えとう…」
ここだ!!
間違いなくここが江藤の自宅だ。
あの江藤からは全く想像できない落ち着いたたたずまいの店舗は、ショウウィンドウに高価そうな白を基調とした着物が飾られていた。
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