横川地区は、以前は市の中心として繁華街を形成していたが、今は寂れた商店街が残るだけの古い街だ。
確か商店街は、駅から垂直に伸びる片側4車線の国道から1本東側に入った所にあったはず…
私は大通りを渡ると、更に川土手の細長い公園を抜け商店街へと続く橋に出た。
顔を上げると、橋の向こう側にすすけた黄色いアーケードが見えた…
「あれが横川の商店街に違いない」
私は20メートルほどの橋を渡り、商店街の入口に着いた。
アーケードの入口に取り付けられた時計は、14時になろうとしていた…
商店街にはほとんど人通りはなく、老人が数人歩いている程度だった。
商店街に入り5件目辺りに小さい電器屋があり、店頭に置いてあったテレビでちょうど天気予報を放映していた。
私は立ち止まり、その天気予報に見入った…
「……天気概況です。今夜半に太平洋沿岸を通過する低気圧の影響により、早い所では夕方から雨が降り始めるでしょう。次に…」
ゆ、夕方…?
雨が降り始めるのが、半日早くなっている!!
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