私は辿り着いたお寺を見て思わず息を飲んだ。

先日は全く気にも止めていなかったが…
道路から高さが2メートル以上ある白い壁の中央に位置する門は、城の大手門くらいの大きさがあり、その門から見える本堂は京都にある寺院の様に荘厳な造りだった。

余りの外観に思わず躊躇したが、意を決して門から中に入った…



境内は高校の体育館くらいの広さで、本堂までは50メートル以上あった。

どこに行けば良いのか分からず境内を見回していると、右側の奥に社務所らしき建物を見付けた。


「とりあえず、社務所で聞いた方が良いかな…」

私は砂利の敷き詰められた境内を、足をとられながら進んだ。



社務所は白い壁に黒い瓦という本堂と統一された平屋建で、一般住宅と同じくらいの大きさがあった。

私は入口に立つと、扉のすぐ横にあった呼び鈴を押しながら叫んだ。


「すいません!!」


すると、すぐに中で急いで誰かが近付いてくる足音がした。

そして玄関まで来ると草履を履き、パタパタと近付いて来て扉を開けた。


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