重い足取りで、道路の真ん中に島の様に設置された電停に渡った。


しかし…
街中に戻るとしても、私にはもう何も出来る事がない。
ミコへと続く道は、プッツリと途絶えてしまったのだ…

路面電車を待ちながら途方に暮れていると、ポケットに入れていた携帯電話に着信があった。


私は急いで携帯電話を取り出すと、電話に出た。


「もしもし…」

「あ、亜由美!!」

電話の主はどうやら美玖みたいだが、何か異常なほどテンションが高い。


「どうしたの?」

「重要な情報を入手したの!!

3年前の事を調べている時に、バッタリ陸上部の2つ上の先輩に出会ったから聞いてみたの…

そうしたら、先輩が2年生の時…
つまり3年前、先生と生徒が付き合ってるという噂が、一瞬流れていた事があるって。

その先生があの滝口…
そして、生徒の方が江藤という女子生徒だったらしいの」


江藤…?

「なんかピンときたのよ!!
今から私は、その江藤って人を探すから。

じゃあまた後でね!!」
私の意思に関係なく、電話は一方的に切られた。


.