「あ…はい」
加奈江という孫は、面白がる様に私を見ると、嘲笑気味に言った。
「まさか、あなたも呪いがどうとか言うんじゃないでしょうね?」
「の、呪い…?」
私はその呪いという言葉に、素早く反応して顔を上げた。
「その話を詳しく教えて下さい!!」
「良いわよ。
私は信じていないから話すけど、元基町高校の生徒は信じているみたいだから、誰も話してくれないでしょうね」
加奈江さんはそう言うと、お店の冷蔵庫から売り物の缶コーヒーを2本取った。
そして1本を私に渡すと、缶を開けて一口飲んでから話し始めた。
「城ヶ崎さんはさ、事故死ではなくて、呪い殺されたとみんな信じているのよ。
バカバカしい…
そんな事ある訳ないのにね。
聞いた話によると…
集団自殺した同級生の事を、面白半分に色々脚色して噂を流してたみたいなのよね。
それで、その自殺した人に呪い殺されたって…
みんなテレビドラマの見過ぎよ…
そんな事があるはずがないのに」
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