ガチャガチャ…
ガタン
ガラガラガラ!!
老婆は鍵を開けると、立て付けの悪い戸を思い切り引っ張った。
「どうぞ」
老婆に促されるまま、私はお店の中に入った。
店の中は年季の入ったコンクリートがむき出しの床で、蛍光灯が4つぶら下がっている店内は明るいとは言えなかった。
老婆は一番奥にあるレジの前に、丸椅子を出して私に座るように言うと、レジの奥にある母屋との出入り口から叫んだ。
「加奈江ちゃーん!!
ちょっと来てくれる」
すると奥の方でバタバタと足音がし始め、すぐそばまで近付くと止まった。
「お祖母ちゃん何?」
レジの奥にいた老婆の更に奥の、一段高い場所に女性の足が見えた。
多分、この人が老婆の言った城ヶ崎さんの同級生なのだろう…
老婆はその孫に、私を連れて来た経緯を説明している様子だった。
暫くすると、その人が出入り口にあったスリッパを履いて店内に下りて来た。
「城ヶ崎さんの事について聞きたいの?」
レジに置いてあった椅子に座ると、私に唐突に尋ねた。
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