ハッ!!
ここで引き下がってしまったら、何の解決にもならない。
「すいません…
少しだけで良いんです。
お願いします!!
少しだけ話しを聞かせて下さい!!」
私は玄関先で扉に向かって、近所中に響き渡るほどの大きさで叫んだ。
「何も話す事なんてありません!!
帰ってください!!」
中からも扉越しにでも耳鳴りがするほとの声で、断じて応じない態度を示してきた。
確かに、娘の死についてなど話したくないという事は理解出来るが、そんな雰囲気ではない。
もっと違った…
それでも私は諦めず、玄関の扉を叩きながら再度声を上げた。
当然、私も必死だ…
「お願いします!!
5分…いえ3分で良いんです。
お願いします!!」
「警察…
帰らないと警察呼びますよ!!
お願いだから帰って!!」
とてもすぐには、話しを聞かせてもらえそうにはない…
でも、私に明日があるかどうかは分からない。
その時…
不意に背後から突き刺さる様な視線を感じ、私はサッと門の方向に振り返った。
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