「今日はどうするの?」
彩香が神妙な面持ちで、私に問い掛けた。
「うん。
私は城ヶ崎さんの自宅に行くから、彩香と美玖は手分けして、3年前に学校で何か事件がなかったかどうか調べて欲しいの」
私は鞄から卒業アルバムを取り出し、美玖に渡した。
事件なんてあるはずもないし、これなら2人を巻き込む可能性はないだろう…
「亜由美…
一緒に行かなくて大丈夫なの?」
美玖が心配そうに、私の目を覗き込んだ。
私は2人の顔を交互に見ると、笑顔でうなずいた。
「じゃあ行くからね」
駅で2人と別れ、すぐに城ヶ崎さんの自宅に向かった…
卒業アルバムに掲載されていた城ヶ崎さんの自宅の住所は、南区の古い住宅地になっていた。
南区に行くには、宇品港行きの路面電車で行く方法が一番早い。
私は駅前のバスターミナルのすぐ横にある、路面電車の乗り場に行き出発待ちの電車に乗り込んだ。
いよいよ、ミコの元に私は向かう…
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