カーテンの影がフローリングに映り始め、前の道を車が通り始めた。
膝にうずめていた顔を上げると、ちょうど正面に本棚の上に置いてい目覚まし時計が目に入った。
「もう6時50分…
そろそろ出掛ける準備をしないと」
私は肉体的にも精神的にも力が入らず、一度立ち上がったが数歩進んでベッドに倒れ込んだ。
天気予報では、今日の午後から降水確率は30%だ…
先日も経験した様に、ほんの短時間の通り雨ですらミコはやってくる。
私は全身に気合いを入れ直すと、再び立ち上がった。
そうだった…
こんな所でうなだれている暇はないんだ。
私はジーパンに黒いジャンパーという動きやすい服装を選ぶと、素早く着替えファイルとアルバムの入った鞄を持ち階段を下りた。
ダイニングに行くと、既にに両親とも起きていてひき立てのコーヒーの香りが漂っていた。
「おはよう」
土曜日にも関わらず、余りにも早い起床に母が驚いた。
「亜由美、どうかしたの?」
本当の事を言えるはずもないし、適当にごまかすしかない…
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