「あなた達、6時だからもう閉めますよ」


突然出入り口から先生の声がして、ハッとして壁に掛けられた時計に目をやると、既に18時を過ぎていた。

ひとまず私達は、アルバムの最後に掲載されていた城ヶ崎さんの住所をメモすると、図書室から出る事にした。



「じゃあ亜由美は、今から家に来る?」

階段を下りながら、美玖が私の方を向いて言った…
私は迷う事なく大きくうなずいた。


「うん。
あ…彩香は今から塾でしょ?
後で連絡するから、気にしないで行って」

「で、でも…」


下駄箱で私は彩香の肩を抱き、引き寄せる様にしながら顔を覗き込んだ。

「今日ですべてが終わる訳じゃないし…
明日は朝から、しっかり付き合ってもらうから!!」


「うん、分かった」

彩香は私の説得に渋々、基町駅の近くにある進学塾に行く事にした。


すっかり暗くなった校門で彩香と別れると、私と美玖は駅とは反対方向にある美玖の自宅に向かった。

私達は、通り過ぎる車のライトに照らされながら並んで歩いた…


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