「こ、この人よね?」


彩香が指を差した場所を見ると、確かにあの写真の女子生徒がいた。

だけど、写真があるなら別に…


「あれ…
これ何だか変だよね?」

「でしょ?」


その女子生徒の写真は、他の生徒が全員冬服なのに、なぜか一人だけ夏服…
しかも背景も違うし、妙にピントがズレている。

ひょっとしてこれは…


「この写真だけ、何かの写真を引き伸ばした様な感じでしょ?」

そうだ。
まさに彩香が今言った様に、この写真だけは他の写真と違う…


ガラガラ!!


「あーいたいた。
もう2人とも戻っていたんだ」

張り詰めた空気を一瞬で切り裂く様に、美玖が図書室に入ってきた。

そして、ツカツカと私達の元に歩いて来て、手元のアルバムを見て言った。


「あっそれ、私の姉ちゃんと同じ年のアルバムね?」



「あ、そうか!!」


私達2人は調べる事に夢中になる余り、重要な事をすっかり忘れていた。


それなら、この写真の事も詳しく分かるかも知れない!!


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