校舎に向かって歩きながら、胸ポケットの携帯電話を取り出した。


>こっちの調査も終わったよ。

カラオケボックスはまだあったけど、3年も前の事だから知っている人がなかなかいなくて…

ただ、集団自殺をした人達は中学生から大人まで様々だったみたいだけど、女性は40代の主婦だけだったみたい。

詳しい話は、後で図書室でするね。


私は携帯電話を閉じ、ギュッと強く握り締めた…

そして、今自分が追い掛けている人物がミコではないか、という思いが一層強くなった。



下駄箱で上履きに履き替えると、私は2階にある図書室に向かった。

校舎に入ると、既に生徒はほとんど帰宅していて閑散としていた…


私は2階に上がると、その静まり返った廊下を西側の角にある図書室に向かって歩いた。

図書室は毎日18時までは開放されていて、生徒なら誰でも入室が可能だ。



ようやく図書室の前に辿り着き扉を開けようとした瞬間、不意に背後から視線を感じた。

思わず振り返り廊下を見渡したが、誰もいなかった…


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