教室から出る時に振り返り、もう一度みんなを見回して私は廊下に出た…


階段を静かに下り、下駄箱で靴に履き替えていると、突然背後から声がした。


「帰るの?」


私は誰に呼び止められようとも、立ち止まる気など全くなかった。

何よりも時間が惜しかいのだ。


無視して靴を履き外に出ようとする私の腕を、声の主が強く握った。

「亜由美、待ちなさいよ!!」

「美玖…
それに彩香も…」


泣き出しそうになるのを必死で堪え、強い口調で腕を振り払った。

「放して!!

あんた達には関係ないでしょ…
もう友達でも何でもないんだから!!」


その瞬間、美玖の後ろに立っていた彩香が駆け寄って来て、私を強く抱き締めた。


「亜由美…
私達は、何があってもずっとずっと親友だって約束したでしょ。
分かったから亜由美…」


私はその言葉が嬉しくて、ついに涙が溢れ出して止まらなくなった。

だからこそ、こんな危険な事に2人を巻き込みたくないんだ…


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