私は右手をロッカーの中に入れ、ショウゴが残したファイルを取り出した…


バタンッ


ロッカーが閉まる音に一度振り返り、怯えながらその場を離れ明るい場所に向かった。

そして駅前ロータリーの前まで出ると、柱にもたれ掛かり手にしたファイルを開いた。


ファイルを開くと、ボールペンで走り書きされたルーズリーフが最初のページに挟んであった。

そのルーズリーフを読むと、1行目には"アユへ"と書かれていた…



>アユへ
このファイルを手にしているという事は、俺はやっぱり失敗したんだな。


俺が一連の事件を調べていて分かった事は、この事件は我々が思っている以上に闇が深いという事だ。

そして、調べた資料から幾つもの仮説が成り立つという事。


だから、敢えて俺が立てていた仮説はここには書かない。
この資料を見て、アユが感じたままに謎を解き明かして欲しい。

この資料の中に、間違いなくミコはいる。
それだけは間違いない。

生きる事を諦めるなよ!!


ごめんな。
力になれなかった。


ショウゴ


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