コインロッカー…
賑やかな駅構内で唯一陰湿な空気が漂い、他の場所よりも少し気温が低い場所。
それはこの場所で数々の事件が行われてきたからなのか、それとも何者かが棲んでいるからなのか…
私は人の波を横切る様に東側の奥へと進むと、照明が一段暗い場所にコインロッカーが並んでいるのが目に入った。
そして薄暗い蛍光灯の下で、キーを握り締めていた手を開き、番号を確認する…
「18番…」
50個ほどのロッカーの中から、同じ番号のロッカーを探し出すとキーを差し込んでみた。
奥から5列目の上から3段目のロッカーに、キーは吸い込まれる様にピタリとはまった…
ショウゴが資料を入れたというロッカーは、間違いなくここだ。
身震いをしながら私が延滞料の200円を入れると、キーは右側に回りキィという金属のきしむ音と共に開いた。
恐る恐る覗き込むと、グレーのロッカーの中に、ポツリと置かれたA4版の青いファイルが目に入った。
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