全く想像も出来なかった事態に、腰砕けになりその場にへたり込んだ。
そしてミコの姿を見上げると、長い髪の隙間から見える冷酷な瞳が私を見下ろしていた。
「またね…」
そう青紫の唇が動いた瞬間、ミコの姿が雑踏に紛れて消えていった…
ミコが消えた後、立ち上がる事も出来ず放心状態でへたり込んでいると、駅員が駆け寄って来て声を掛けてきた。
「だ、大丈夫です…」
私はその声で呪縛から解き放たれた様に我に返り、何とか立ち上がった。
そして駅の外に目を向けると、ちょうど通行している人が傘を閉じているところだった。
その時私はようやく理解した…
通り雨だ。
降水確率なんて、ただの目安であって絶対的なものではない…
今の私に、絶対に日曜日まで生きられる保証は何も無いんだ。
半ば諦めともいえる気持ちで一杯になったが、それと同時に違う思いも湧き上がってきた。
今、本当は死ぬはずだった私が、偶然とはいえ生き残った…
未来は変えられるのではないのか?
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