ドンッ!!



ザシャー…



駅構内の冷たい床が私の頬に当たる…


当たる…?
ひょっとして、私は助かったの?


「あ、ごめんね」

慌てて目を開け、声のする方を見ると中年のサラリーマンが走り去って行った。

どうやら、倒れ掛かった私に後ろから来た人がぶつかったらしい…


しかしその奇跡的な偶然により、私は倒れ込む場所が変わり金具が刺さる事がなかったのだ。

状態を起こし床に座ると、通常では考えられないほど鋭利な金具が顔のすぐ横にある事に気付いた。


これは偶然…?
もしもあのまま倒れていたら、間違いなくこの尖端が顔に刺さっていた…



「大丈夫ですか?」


座り込む私に、心配して声を掛けてくれる人がいた。

現状、私は背後からぶつかられて転倒しただけだ…
大袈裟に騒ぐほどでもないので、制服の汚れを落としながら立ち上がった。


「あ、大丈夫です」


「そうですか…





ちゃんと死んでよね」


その言葉に驚いて振り返ると、そこにミコが立っていた!!


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