窓が開き急激に気温が下がった室内で、私はただ呆然としていた。

それはそうだ。
今まさに、死刑宣告をされた訳なのだから…


リアルな死に直面した今、真っ先に脳裏に浮かぶのは"死にたくない"という純粋な思いだった。

と同時に、両親それに美玖や彩香…
大切な人達の顔が思い出され、誓ったはずなのに嗚咽と共に涙が溢れてきた。



どれくらいの時間が過ぎたのか、部屋の隅に膝を強く抱えてうずくまっていた私はフラリと立ち上がった。


まだ今日死ぬ訳ではない。
次の雨が降る日は日曜日だ。
明日は学校に行って、美玖と彩香それにクラスのみんなにも、もう一度会いたい。

その為にも、例え眠れなくても窓を閉めて、とりあえず布団に入らなければ…



「痛っ!!」



窓に向かって歩こうとした瞬間、私の足首に激痛が走った!!


「な、なに…?」


痛みはすぐに治まったが、不審に思い自分の足下を見た。

するとミコが触れた部分が、赤黒く変色してアザになっていた!!


.