何も遮る物が無い状態で、ついに私はミコと対峙した。

とはいえ、私には成す術は何も無く、ただミコの思うがままにされるしかない状況だった…

ミコの青紫の唇が静かに冷笑を浮かべていた。
私はミコに見下ろされたまま、死の覚悟をするより他は無かった…



練炭の臭いを含んだ冷たい空気が支配した部屋で、ミコがゆっくりと動いた。


「あなた…
何か勘違いしている様ね…

あなたはまだ死なないわ。
正確には、まだ殺さない…かしらね」


そう言ってその場にしゃがむと、私の両足首にスッと手を置いた。

冷たい手の感触が頭の先まで伝わり、一気に体温が奪われていく…


ミコは足から手を離すと私の顔に自分の顔を近付け、耳に噛み付いて囁いた。


「次の雨の日に、また会いましょうね…」



その瞬間窓が勢い良く開き、突風が部屋に吹き込みカーテンが激しくなびいた!!


思わず目を伏せた私が次に目を開けた時、既にミコの姿は無かった…


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