部屋の扉が開いて、もう30分は過ぎただろうか…
時間の感覚が麻痺し、正確にはどれだけの時間が流れたのかすら分からない。
ただ、
必死に目を閉じ膝を抱える私の呼吸音が、布団の中に静かに静かに…
え…
よく聞いてみると…
すぐそばで、もうひとつの呼吸音が私の呼吸に少し遅れて聞こえている!?
ハッとして目を開けると、私のアゴ先から見上げる様に覗き込むミコの顔があった!!
私は余りの事態に、声も出せず布団ごと背後の壁に頭をぶつけた。
止めようとしてもどうにもならない、心の奥底からくる恐怖で、上下の歯がガチガチと激しく音を立てる。
ズレた布団の隙間からミコの足下が見え、その真っ白な肌が冷たく私に近付いて来る…
そして、立ち止まると布団の隙間からミコが覗き込んできた!!
顔に垂れ下がった長い髪の隙間から、血走った左目が私を探し当て、瞳の奥の光を奪う様に睨み付ける…
全身の力が抜け、強く握り締めていた布団がゆっくりと床に落ちていった。
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