その日の深夜…
ちょうど日付が替わる頃、ついに私の耳に怪しげな音が聞こえてきた。
静まり返った廊下を何者かが歩いている…
ミシ…
ミシ…
この感じは…!!
そして、前回と同じ様に階段を上がり私の部屋へと近付いて来た。
私にも分かるほど室内に湿気が多くなり、鼻をつく練炭の臭いが充満してきた!!
ミシ…
ミシ
ミシ
ついに部屋の前で足音が止まった。
そして、ドアノブがガタガタと動いた!!
私は窓際の一番隅に膝を抱えて座り、上から布団をかける。
キィィ
部屋の扉が開いた…
き、来た…
ミコが来た!!
布団の中で必死に歯を食いしばり、全身に力を入れ身体の震えを止めようとするが、肝心の力が入らない…
「嫌だ…
まだ死にたくない!!」
私はそう心の中で必死に叫び続けた…
私の願いが聞き届けられたのか、それから暫く何の物音もしなくなり、室内は元の様に静寂に包まれた。
それに布団の中にいる為か、練炭の臭いもしなくなった…
.



