その時大音量で背後の時計が鳴り始めた。
そして、通行人の中に所々傘が開き始める…
雨が降り始めた!!
ショウゴは、中央分離帯にある路面電車の駅から私の姿を見付け手を振ってきた。
その姿を目にするのとほぼ同時に、ショウゴの背後に真冬だというのに白いワンピースを着た女性の姿が見えた!!
ミ、ミコ!!
その女性の口許が怪しい笑みに変わった瞬間、ショウゴの身体が大型トラックの前に投げ出された…
まるでスローモーションの様に見える光景。
道路に突き落とされた瞬間、ショウゴは私に向かって両手を合わせ確かに言った。
「ごめん…」
「いやぁぁぁ!!」
トラックの急ブレーキの音とショウゴが吹き飛んだ衝撃音は、時計から流れる音楽にかき消された…
不意に、立ち尽くす私の耳元で誰かが囁く…
「早く逃げなきゃ」
その声に私の身体が一瞬にして凍り付く…
この感じはミコだ!!
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