私は彩香が自殺未遂をしたという事よりも…
自殺未遂をする程の悩みを抱えていた事に、全く気付かなかった自分にショックを受けた。
「亜由美…」
美玖が私の肩をそっと抱き寄せた。
私と美玖は、放課後に搬送先の市民病院に様子を見に行く事にした。
市民病院は学校から繁華街に向かう途中、美術館の正面にあった。
わりと近い場所で、歩いて10分くらいの距離だ。
病院に向かう途中、美玖と自殺未遂をした理由について話しをした。
「亜由美…
何だろうね、自殺しようと思う程の事って…」
「分からないよ…
でも考えられる、理由になりそうな事って言えばあれくらいしか…」
「そうだね…
あの最近できた大学生の彼氏くらいしか、理由が見当たらないよね…」
彩香は最近、バイト先で知り合った大学生と付き合い始めていた。
一度見た事があるが…
チャラチャラした、見るからに遊び人風の男だった。
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