あたしの体はたぶんおかしくなっている。


心臓が激しく鼓動を打つくらい苦しいのに、生まれた熱が体の奥に溜まっていく。こんな苦しいことをされて嫌なはずなのに、あたしは蒼ちゃんの服を掴んでキスを受け入れている。


あたしはもう蒼ちゃんにされていることで頭がいっぱいだった。


「……とも」


ようやくあたしを解放した蒼ちゃんがじっとあたしを見下ろしていた。


「蒼、ちゃ…………」


ぼんやりと見上げた先に見えた蒼ちゃんは、瞳を潤ませて今にも涙がこぼれ落ちそうだった。


なんでそんな顔をしているの?


さっきまであんなに友達とふざけて、ベロンベロンになって、笑ってたじゃん。


ゆっくりと目を閉じる。もう寝かせて欲しかった。


もう、すべてから解放されたかった。


でも、あたしの願いは蒼ちゃんには届かなかったらしい。