『とも、横飲みに参加したことないでしょ? 一度来なよ』

『蒼ちゃん……あたしが学部に友達いないことわかってて言ってんの?』

『もしかしたらこっちの人達と仲良くなれるかもしれないじゃん。出会いは自分から作んなきゃ』


そりゃあ、半月にいっぺんは週末に何かしらの飲み会に行っている蒼ちゃんは友達も多いでしょうよ。


あたしなんて、大学に入ってから飲み会なんて数えるくらいしか行ってないんだから。なんならその詳細も一つ一つ説明できますよ。


あたしとは正反対の蒼ちゃんに文句を言ってやりたかったけど、蒼ちゃんの顔を見たら何も言えなくなった。


流されるまま、あたしは蒼ちゃんに連れられて飲み会に来てしまった。


来るなり、偶然目が合ってしまった昌人には驚愕の視線を向けられたし、話したことはないけど顔見知りのコースの人達にも『なんであんたがここにいるの?』という顔をされた。


それもそのはずだ。あたしにはそんな連絡など来なかったのだから。それはあたし自身も望んでいたことだから、仲間外れにされても今更寂しくはない。辛くもない。


ただ、ここがあまりに場違いなところであるとは一瞬で理解した。