啄むように何度もキスを繰り返して、蒼ちゃんの手はあたしの体を包むタオルを剥ぎ取った。舌が絡まると同時に蒼ちゃんの指があたしの体を這う。


「んっ…………」

「……どした?」


その指に反応したあたしの顔を覗き込んで微笑んでそう聞いたのは絶対わざとだ。


蒼ちゃんは唇と指であたしの体の隅々まで余すことなく触れた。


あたしは蒼ちゃんが触れるたびにいちいち反応した。声を漏らすことが恥ずかしくて手で口を押さえていると、それに気づいた蒼ちゃんの手が重なってそっと外された。


「ともの声、聞かせて……」


掠れた声でそう言われて、どうして抗うことができようか。


蒼ちゃんによって徐々に、そして確実に高みに上り詰められていく。


蒼ちゃんは時々あたしの肌に強く吸い付いた。その度に体の奥がギュッと収縮して熱を孕んでいく。


あたしは蒼ちゃんの思い通りに反応する。


どうして蒼ちゃんはわかるんだろう。


「……ともだからね」


とものことならだいたいわかるよ。そう言って蒼ちゃんはあたしの首筋に顔を埋めた。


蒼ちゃんには全てお見通しということか。


「蒼ちゃん…………」


頭がぼんやりとしてくる。なのに、意識ははっきりとしている。


蒼ちゃんの指が下がっていくのはわかっていた。一番敏感な場所にそっと指が触れて、あたしはびくりと体を強張らせた。


「大丈夫だから。力、抜いて」


耳元で蒼ちゃんが囁く。少しずつ身を委ねていくと、「いい子」と微笑んで蒼ちゃんは額に唇を落とした。


それからチュッとあたしの唇にキスを落として、


「…………いい?」


そう言って、あたしの瞳を覗き込んだ。


蒼ちゃんはあたしに何も求めなかった。ただ一つ求めたのは、蒼ちゃんを受け入れる覚悟。


あたしはわずかに頷いた。


蒼ちゃんは微笑んで、あたしの指を握って指を絡ませた。


蒼ちゃんを受け入れた瞬間、涙が一粒零れた。


あたしの上で蒼ちゃんが顔を歪めたのが見えた。