肌に温もりを感じる。温かくて柔らかい。


布団の温かさとは違う。布団はもう少し冷たい。


目を開けると、逞しい胸が見えた。


む、胸っ!?


あたしは慌てて起き上がった。


「そ、蒼ちゃん!?」


なんで蒼ちゃんがあたしのベッドで寝てるの!? しかもなんで上半身裸なの!?


あたしは昨日夜中1時前に寝た。酒は飲んでいない。だから記憶は確かだ。そうなると、蒼ちゃんはあたしが眠りについた後にベッドに潜り込んだことになる。


ちなみにあたしはちゃんと部屋着を着ている。脱いだ形跡はない。でも蒼ちゃんは裸だ。今は10月。暑くはない。


……なんで? 一体どうして?


「んー…………とも、うるさい……」


蒼ちゃんが目をつぶったまま手を伸ばしてあたしの腕を握った。そのまま引き寄せられて、あたしはあっさりと蒼ちゃんの胸の中に収まった。


「蒼ちゃ……」

「なにぃ」

「なんで裸なの……」

「暑かったから」

「や、今10月なんだけど」

「とも、ふわふわしてて気持ちー」


あたしの言葉を無視してあたしを抱きしめる力を強めた。裸の胸に顔を押し付けられて蒼ちゃんの温もりを直に感じる。


「蒼ちゃん、離してよ……」

「今日土曜日じゃん。もうちょっとこのまま」

「てか、なんでここで寝てんの……」

「急にともが恋しくなったから」

「毎日一緒でしょうが……」


なんなんだ、この甘えん坊は。