「ほんと、ともは不器用だねえ」


くすっと笑った蒼ちゃんは腕に力を入れてあたしを引き寄せた。


「そう考えるのは仕方ないよ。だってこの年だもん。そういう知識もあって、想像しちゃうのは当たり前。俺も、ともの立場だったらきっと落ち込んでる」


蒼ちゃんもあたしの手を握り返した。


「でも、それをともママに見せちゃダメだよ。ともママはともにそう考えて欲しくて妊娠したんじゃないんだよ。単純に、ともパパとの赤ちゃんが欲しかったから妊娠したんじゃないの?」

「…………ん」

「ともは素直に喜べばいいんだよ。じゃなきゃ、これから生まれる赤ちゃんも出てこれないよ」

「……わけわかんない」


あたしはつい体を震わせて笑っていた。


蒼ちゃんはすごい。あたしの話を聞いてくれて、あたしの心を軽くしてくれる。蒼ちゃんは昔から聞き上手で、あたしの精神安定剤だった。


安心したらなんだか眠くなってきた。


そう思った矢先だった。


「…………やばい。俺、ちょっとピンチ」


あたしの背中に顔を埋めた蒼ちゃんが低く呻いた。