ある日の夕方。
車の中でうとうとしていると、突然、目の前が白く光った、
一面のガラスいっぱいに広がるお花畑。
それは白つめ草の群生だった。
今まで見たことのないほどの大量さ、まるで別世界だ。
夢?花を長く長く摘んでネックレスを編む。昼間にたくさんの日差しを浴びた花からは溢れんばかりの香りが車に匂い立つ。
「お母さん、花がいっぱいで驚くくらいらくさん花を摘んだのって夢だった?」
「本当」
「あんたが寄りたそうにしてたから、お父さんが寄り道したんよ」
大人になるまで確証が持てなかった。
それくらい幻想的で圧倒的で印象が深かった。
あり得ない光景だと思った。その後もあれほどの光景を見たことは一度もない。
どんな立派な植物園にも公園にもそれはなかった。
「四葉のクローバーを見つければ良かったのに」
思い出すたびに私は思った。
あの時にあれほど、花ばかりに見とれずに葉っぱである、クローバーのほうに目を向ければ四葉のクローバーの一つくらいあったかもしれないのに。私たちは誰も見つけなかったのだ。
幸せは長続きはしない。
その頃の私は知らなかった。
たった数年で壊れてしまうものがあるということに。
もっと早く気付いていたら壊れずに済んだかもしれないものがあったかもしれないことに。
あの時、別の世界を見る力があれば。
あの時、もっと正直に生きることを選んでいれば。
あの時。
過去は過去形でしかないのにいい加減、大人になっても過去を修正しようとしてしまう。
小学生だった私、気づけ!!!幸せはどこにあるのか、ちゃんと見て!!
車の中でうとうとしていると、突然、目の前が白く光った、
一面のガラスいっぱいに広がるお花畑。
それは白つめ草の群生だった。
今まで見たことのないほどの大量さ、まるで別世界だ。
夢?花を長く長く摘んでネックレスを編む。昼間にたくさんの日差しを浴びた花からは溢れんばかりの香りが車に匂い立つ。
「お母さん、花がいっぱいで驚くくらいらくさん花を摘んだのって夢だった?」
「本当」
「あんたが寄りたそうにしてたから、お父さんが寄り道したんよ」
大人になるまで確証が持てなかった。
それくらい幻想的で圧倒的で印象が深かった。
あり得ない光景だと思った。その後もあれほどの光景を見たことは一度もない。
どんな立派な植物園にも公園にもそれはなかった。
「四葉のクローバーを見つければ良かったのに」
思い出すたびに私は思った。
あの時にあれほど、花ばかりに見とれずに葉っぱである、クローバーのほうに目を向ければ四葉のクローバーの一つくらいあったかもしれないのに。私たちは誰も見つけなかったのだ。
幸せは長続きはしない。
その頃の私は知らなかった。
たった数年で壊れてしまうものがあるということに。
もっと早く気付いていたら壊れずに済んだかもしれないものがあったかもしれないことに。
あの時、別の世界を見る力があれば。
あの時、もっと正直に生きることを選んでいれば。
あの時。
過去は過去形でしかないのにいい加減、大人になっても過去を修正しようとしてしまう。
小学生だった私、気づけ!!!幸せはどこにあるのか、ちゃんと見て!!


