きっと今、残念って顔してる…。
藤堂さんは小さく笑って、また頭をポンポンってしてくれた。
「大丈夫そうなら、もうちょっと回ろっか」
その言葉が嬉しくて、私は上下に首を振る。
今の私は、藤堂さんの一言一言で喜んだり、落ち込んだり、変われるかもって思ったり出来る。
今日初めて会ったのに、そんな風に思うのはおかしい…?
考えてるうちに再び繋がれる手。
「なんか食べる?」
「えっと…、クレープ!」
「はいはい」
そんな会話しながら、私たちはクレープの屋台までゆっくりと歩く。
私でも追いつけるくらいの歩幅で。
屋台に着いてから、藤堂さんがクレープを1つ買ってくれた。
「藤堂さんは食べないんですか?」
私が聞くと、頬っぺたの辺りを人差し指で掻きながら
「あんまいっぱい食べらんないから、一口だけちょうだい?」
って藤堂さんが言う。
それがかわいくて、またきゅんってする。
私たちは小さな池のまえにあるベンチに座って休むことにした。
クレープを持っている私の手ごと押さえて、正面から藤堂さんがクレープを一口パクリとかじる。


