“藤堂碧依”と名乗るその男の人は、よく見るとスゴくカッコいい!


さっきはいきなり話し掛けられて、見てる余裕なんてなかったけど。


180センチくらいありそうな身長。


耳にかかるくらいのサラサラな黒髪。


目は切れ長で、鼻筋が通ってて、唇は薄め。


すっきりとした輪郭がまた、それぞれのパーツをかっこよく見せてるのかな。


見れば見るほどカッコいい。


あまりに見つめ過ぎていたせいか



「えっと…」



と、藤堂さんが口を開いた。


我にかえって急に恥ずかしくなる。



「ごっ…ごめんなさいっ…!」



勢いよく頭を下げると、“フッ”って笑う声が聞こえた。


顔を上げると、藤堂さんが口元を手で押さえて笑ってる。



「あの……」



私は恐る恐る話し掛ける。



「ごめん…悟にきいてた通りだなって思ったらついね…」



「悟さんとお知り合いなんですか?」



私がきくと藤堂さんは頷く。


悟さんとは仙崎悟さんといって、愛の彼氏のこと。


じゃあ、藤堂さんが悟さんの友達で、今日のデートの相手なのかな…?