「本当はさ、今日会う前から悟に話きいてたんだ。だから、どんな子なのか会ってみたくなって愛ちゃんに頼んだんだ。会ってみてさ、きいてた通りの子でよかったって思った」
藤堂さんが言ってくれたこと、全部が嬉しくて…視界がボヤける。
「俺泣かせるようなこと言ったか?」
ちょっと困ったように言う藤堂さんがかわいくて、自然と笑えた。
私、藤堂さんが好き……。
「まだ会ったばかりでこんなの迷惑かもしれないけど…」
藤堂さんが言い終える前に、私は首を横に振った。
ねぇ…私もこの気持ちをあなたに伝えてもいい?
「会ったばかりだけど…、藤堂さんが好き、です……」
徐々に小さくなる私の言葉。
ちゃんと届いたかな…?
キツく瞑っていた目を開いて、顔を上げて藤堂さんを見た。
見えたのは優しい笑顔。
「先に言わないでよ。俺カッコ悪いじゃん…」
はぁ…とため息をつきながら、藤堂さんは髪をくしゃくしゃってしてる。
でも突然私の手を両手で包み込んで、真剣な顔をした。
「改めて…。よかったら俺と付き合って?」
少しだけ顔の赤い藤堂さん。


