小人たちは寝室のある二階の部屋に行きました。
恐る恐るベッドを覗き込むと、そこには、スヤスヤと気持ちよさそうに眠る白雪姫がいたのです。
「これは…、なんて可愛らしい子なんだろう」
そのせんせいの声で白雪姫はパチリと目を覚ましました。ベッドから起き上がり、白雪姫は訊ねます。
「あら…? もしかして貴方たちは小人さん?」
ジッと不思議そうに首を傾げる彼女に七人は大きく頷きます。するとパァッと顔を輝かせて自分の手のひらと手のひらを重ねました。
「見たのは初めてだわっ!小さくてとても可愛らしい…、お人形にしてしまいたいくらいっ!」
「…」
そう言われ七人の小人たちは各自様々な顔をしますが、最終的には微妙な顔をします。
褒められているのか貶されているのか分からなかったからです。
しかし白雪姫の表情を見て、前者だろうと一様に感じました。
「あぁ、そうだわ。まだ私、名乗っていませんでした」
ふわっと優しく微笑んでお辞儀をします。
「私は白雪と申します。お願い、追い出さないで。お城に帰ったら私…、殺されてしまうの」
先程の笑顔とは対照的に、白雪姫はギュッと掌を握りしめて苦しそうな表情を浮かべながら必死に頼みました。


