「もしかして、私を慰めてくれているの?」
そう訊ねると動物たちはそれを肯定とばかりに白雪姫にスリスリと自分の頬を寄せました。
「…ありがとう、みんな」
彼女はふっと微笑み、そうだと彼らに頼みます。
「私、困っているの。何処か泊めてくれるところはないかしら?」
動物たちは顔を見合わせると、走り出しました。白雪姫もその後を追います。
見えてきたのは、小さな家でした。それは森のずっと奥の小川の側にありました。
家の中に踏み入れ声をかけますが、中には誰もいないようでした。
(それにしても…)
部屋の中を見渡すと、どこもかしこも汚れています。小さな服も靴も脱ぎっぱなし。汚れた皿やカップが乱雑に積み上げられています。
あちらこちらに埃があって、一歩歩くだけでそれが舞ってしまいます。
「とても散らかってるわ…」
ふぅ、とため息をつくと、白雪姫は部屋の掃除にとりかかります。
動物たちもお手伝いです。
鳥たちは服や靴下を外に運んで干し、うさぎやリスは尻尾で埃を叩きます。


