「さぁ、早く」
「…」
白雪姫はくるりと身体を反転させ走り出しますが、何を思ったのかそれも数歩で止まってしまいます。そして振り返り、彼に笑顔で告げました。
「貴方、あの方の家来、むいていないわね」
「…」
自分でやったこととはいえ、そして自覚してるとはいえ、改めて誰かに言われると何かがグサリと突き刺さります。
「それに今時家来だなんて時代遅れもいいところよ」
グサッ。彼の心に深く刺さりました。そして時代遅れという言葉にズーンと家来は沈みます。
「でも貴方、とても優しい人ね。だから他の就職先みつけて働いた方がいいと思うわ」
「姫様…」
ジーンとちょっと家来が感動しますが、それを天然で見事に踏みつぶした白雪姫は一言。
「まぁ、この就職難に働く先を見つけるのは難しいけれどね」
「…」
「じゃあ私、そろそろ行くわ」
白雪姫はにこりと微笑むと、スッキリとした顔つきで逃げ出しました。


