小人は動物たちから呼ばれ、大急ぎで山から駆け戻りました。

すると先に、おばあさんの姿をした女王を発見しました。彼女は一目散に逃げていきます。


「みんなっ、見つけたぞっ! あそこだっ!」

「逃がすなっ! 追え追えーっ!」


とうとう小人たちは高い崖の上に追いつめました。


「チッ、小癪なっ! それっ、押し潰してやるわっ!」


女王が崖の上から大きな岩を落とそうとしました。

その時、ピカァッ!と激しい稲妻が空を駆け抜けました。


「ぎぃゃあああっ!!!」


天の罰か雷にうたれた女王は、醜い姿のまま崖から落ち、死んでしまいました。


***

「白雪姫…」

「まるで眠ってるみたいだ…」

「僕、冷たい土に埋めるなんて絶対出来ないよ…っ!」


その後、小人たちは悲しみを纏いながら硝子と金の棺の中に白雪姫をおさめると、かわるがわる見張り番をしていました。

白雪姫が眠りついたときからいくらかの月日が過ぎましたが、彼女の美しさは少しも変わりません。

森の奥深く、七人の小人に守られて、美しい姫君が横たわっている。

どこからかそんな噂が流れました。