初恋の味。

放課後

***

「水出すよーー?」

「おーけー」


錆びてるからか、固くなった蛇口をひねる



「でたー?」

「出たでた」


よし、自分の身長くらいあるブラシを力強く握る

すぐに終わらせて家に帰ってやるんだから


「ぬぉわぁーーー!」

とにかく走ってぬるぬるしたプールの床をキレイにしていく



「...お前そんな走ったらころ...」


「おわっ」

つるんっという効果音でも流れるんじゃないかレベルの滑り、



「このバカッ!!」




転ぶ直前にそんなこと言われた気がする






「...ったた」


思わず声を出してみるも、


よく考えてみると......



「...どこも.....痛くない?」


「...大丈夫か?アホ」


...目の前にあるのは夏希の顔



「なななな夏希!!?」


意味分かんない!

頭のなかでプチパニック中


でも落ち着いてみると、

私...夏希に支えられてる?