肌寒さと一緒に夜の始まりが早まる

小さな手を引いて歩く家に続く道

少し暗い空には一番星

「まま」

あどけない声で呼ぶ君は小さな手をいっぱいに広げ空をつかむ

何度も

何度も

繰り返し空の星をつかむ

「ほし とった」

そういうと星を口の中にいれてみる

甘くておいしい、お菓子を食べるみたいな顔をする

「おいしい?」

「うん」

飛び上がって空の星をつかむ

何度も

何度も

口の中にほおばる星はどんな味?


「まま」

小さく握った手を差し出してそっと口に入れてくれた星は

優しくて暖かい

幸せの味