いつになくよくしゃべる秀一。動揺しているのがよく分かる。

昨日の告白だけでそんな深読みをしていたのかと思うとつい詩織は笑ってしまった。

「なんだよ、笑うなよ」

恥ずかしそうに秀一が言った。

「ごめん、だってそんな事考えてると思わなくて」

急に秀一が可愛く見えてきた。

「そんなひどいことする女子、クラスにいないよ。大体矢内君が私のこと好きだったなんて知らなかった。ずっと片思いだと思ってたから」

「それは俺も」

改めてお互いの気持ちを確認すると、なんだか気恥ずかしかった。

それでも詩織は秀一の気持ちが聞けてうれしかった。