やっぱり昨日の出来事は夢だったんだ。

都合よく自分が考え出した妄想なんだ。

不意に涙が頬をつたった。

止めようとしてもどんどん溢れてきた。

それに気がついた秀一が目を見開いた。

「今田…?」

「もういい…」

「え…」

「もう分かんない。もう知らない。矢内君何考えてんのか分かんないよ」

涙がポロポロと流れる。

下校する生徒が何かあったのかと詩織たちの方をチラチラ見ている。

秀一は困った顔でオロオロしていた。