両思いってなんなんだろう。

2人の関係は前進するどころか後退していないだろうか。

詩織はそんな風に思った。

放課後、秀一と一緒に帰ろうかと考えていた詩織だが、今日1日の事を思い返すとそんな気持ちになれなかった。

1人帰宅しようと下駄箱に向かった詩織は、目の前の人物に驚いた。

「矢内君…」

「今から、帰んの?」

「うん、そうだけど」

「…俺も」

だから…?

その続きを詩織は聞きたいのに秀一の口は開かない。