君の王子様になるために



「それに、男として見て欲しい。


俺、あんま男らしくないし…。

弥生ちゃんの王子様なれてへんけど、頑張るから。



だから嫌いにならんといて欲し――」




あ、れ…?



弥生ちゃんがぎゅって…。



俺にしがみついてる…?



それに微かに肩が震えてる。





「弥生ちゃ…」


「アホッ! もっと早く言ってや!」




涙…声。



俺がずっと不安やったように。



彼女もずっと悩んでたんや…。