君の王子様になるために



「でっでも、前腕組んで歩いてっ」


「姉ちゃんスキンシップ激しいから…」




恥ずかしそうに答える斉藤。


呆然とする小林ちゃん。




それを見たお姉系…斉藤姉はクスッと微笑んだ。




「弟のこと好きになってくれてありがとうね」



「いえ、あのっ…すみませんでしたっ!!」




顔を真っ赤にした小林ちゃんは深々と謝った。




「それだけ誰かを本気で

好きって思えることは立派よ。



それに私も好きな人を

取られたくないっていう気持ち分かるし、ね?」




そう言って斉藤姉は中年店長を見た。




えっ…これは予想してなかったけど。




もしかして――。