君の王子様になるために



一度浮かんだ疑問は拭いきれんくって…。



怖い…。



フラれるのがじゃない。



嫌いって。



もうなんとも思ってへんって言われるのが怖い。





あかん、まだ待って。



もう少しで小林ちゃんのこと解決してみせるから。





だから、まだ言わんといてっ――!!




「ごめん、俺もう行かな。 じゃあね」



「姫、待って! 行かんといて!!」





弥生ちゃんの声が追っかけてくる。



でも俺は走った。



一度も後ろを振り返ることなく。