君の王子様になるために



あかん、これ以上ここおったらマズイわっ!!




「じゃあ、また明日!」




俺らは、弥生ちゃんの前を通り過ぎようとした。



でも――。




弥生ちゃんの手が俺の服の裾を掴んだ。



突然の彼女の行動の意図が分からへん。





「えっ、どうしたん?」




聞いてもなんも答えへん。



でも、弥生ちゃんは何かを言いたそうで。




それを見た小林ちゃんは、俺に目で合図してきた。




『先、行ってるね』って。