朝戻ると美香の姿はなかった。
淋しいようなホッとしたような居たたまれない気持ちに和馬はなった。

テーブルの上に何か紙切れのようなものが置いてあった。




和馬へ

あの日、私は行く場所がなく悩んでいました。
公園のベンチで何時間も悩んでいたら和馬の歌が聞こえてきました。
本当に最初は全く聞いてなかったんだけど最後に弾いていた『雨の中のメロディー』は、すごく心に響きました。
ここで過ごした何日間は今までで一番楽しかった。
昨日のキスも嬉しかったよ。

でも今日で終わりだね。
ありがとう。
明日から学校で会うと思うとなんか緊張しちゃうね!

またいつか家に行ける日が来るといいな…

美香より





お互い惹かれあっているのに結ばれてはいけない関係に和馬は苛立ちを感じた。
そして涙が溢れた。


ギターを取出し和馬はがむしゃらに歌った。