七海の和馬への想いは中途半端なものじゃなかった。
調べられることはだいたい調べていた。
恭平と和馬の仲。
恭平と美香の関係。

そして和馬と美香の関係。

和馬が公園で弾き語りをしていたときたまたま居合わせた七海。

七海も美香同様、全ては聞いていなかった。

最後の歌

『雨の中のメロディー』

だけを聞いていた。
そのあと和馬と美香が消えていった姿をみていたのだ。



もともと美香のことを知っていた七海。
そして嫌いだった。


中2の夏休み前にに七海は隣のクラス、美香のクラスの男子に告白をした。


「梶山くん!バスケしてる姿をみて好きになりました。あたしと付き合ってください」


困る梶山くん…


「ごめん。俺、他に好きなやついんだわ」


「え。だ、だれ?」


「同クラの美香ってやつ」

七海の恋は儚く散った。