美香はわけがわからなくなり困っていた。
黙り込む和馬に余計に困りだす美香。

「か、和馬…?」

和馬はニコりと笑った。

「なに?そんなに知りたいの?」

「知りたい!」

「しょうがないなぁ…」



中学生最後の夏休みはほぼ毎日恭平の家で過ごしていた。
先輩にキスされ嫌だった俺は恋愛がわからなくなり悩んでいた。

その時に恭平は美香に告白していたらしい。
それは後に知った出来事だったけど。

恭平は美香に「まだ恋愛なんかわからない」って振られたらしい。
そりゃ俺にわからないものが小3の女の子になんかわかるもんかって思ってた。

その恭平に好かれている女の子に俺は興味があった。
だって恭平が5年間好きだった女の子だったから…。

いつものように恭平の家に行こうとすると恭平の家から小さな女の子がでてきた。
和馬はすぐにその子が恭平の好きな人だと思った。


「お前…名前なに?」

「お兄ちゃんだれ?」

「俺?俺は恭平の友達」

「お兄ちゃんのお友達?あたしは美香だよ」

名前を聞いて確信した。

「美香は恭平が嫌いなの?」

「嫌いじゃないよ!美香もお兄ちゃんが大好き!」

その言葉にキュンとしてしまった。
自分のことじゃないのに。

「明日…恭平と3人で遊ぼっか」

「お兄ちゃんと…えっとお兄ちゃんのお友達のお兄ちゃんと美香で?」

「ややこしいなぁ…まぁそうだね」

「うん!じゃ明日お兄ちゃんの家に行くね!」

「おう」

「じゃまたね」

短い間だったが和馬は美香に落ちた。

次の日美香は来なかった。

恭平と何故か喧嘩になりそれから恭平の家にあまり行かなくなり和馬は自然と美香を忘れていった。